朝の北上川沿いを走るランナー、盛岡シティマラソンに向けて距離を踏む人、健康のための夜ジョグ派。走る人が、岩手にも増えました。今日は、ランナーとサウナの話です。運動とサウナの一般論は以前書きましたが、走る人には、走る人ならではの使い方があります。
走後のサウナは、脚の整備
走ったあとの脚には、着地のたびの衝撃と、筋肉の細かな疲労がたまっています。サウナの深部加温は、この脚まわりの血流を促して、回復を後押ししてくれます。おすすめの流れは、走り終えて汗が引き、水分補給を済ませたあと、つまり走後三十分から一時間あたりで、短めのサウナ。長風呂ならぬ長サウナは要りません。二セットほどでさっと切り上げて、ふくらはぎ、前もも、股関節まわりを軽く伸ばす。温まってゆるんだ筋肉は、ストレッチもよく効きます。ポイント練習を追い込んだ日ほど、この整備をするかしないかの差が、二、三日後の脚のもちに、はっきり出てきます。冷たい水風呂で脚をきゅっと締めるのもいい。ただし、追い込んだ直後の筋肉には、まずやさしい熱でめぐりを回してやるほうが、体は喜びます。順番と力加減が、回復の質を決めます。(ストレッチはこちら。)
大事なのは、水分の帳尻
ランナーがサウナでいちばん気をつけるべきは、脱水の二重取りです。走って大量に汗をかき、サウナでさらに汗をかく。補給が追いつかないと、回復どころか、疲労を上積みしてしまいます。目安は、走ったあとに減った体重のぶんを、しっかり飲み戻してから、サウナへ向かうこと。サウナのあとも、水だけでなく、電解質を含む飲み物やスポーツドリンクで、もう一度補う。喉が渇いたと感じる前に、先回りして飲むのが、走る人の水分の作法です。ここを丁寧にやる人ほど、翌朝の体が、すっきり軽く仕上がっています。(水分の話はこちら、塩分はこちら。)
暑熱順化という、隠れた武器
そして、ランナーにとってのサウナの隠れた価値が、暑熱順化です。夏のレースや練習で体がばてるのは、暑さへの慣れ、つまり順化が足りないからです。定期的に熱い環境に体をさらしていると、汗の立ち上がりが早くなり、体温調節の上手な体になっていくと言われ、持久系アスリートのあいだでも、サウナを暑さ対策のトレーニングとして取り入れる考え方が知られています。血液量が増えて、心臓が一度に送り出す血の量が上がるという報告もあります。「梅雨明けの走り込みが、去年より楽だった」というサウナ愛用ランナーの声は、この順化の効果でしょう。春先からサウナを積んでおくと、夏の勝負どころで、はっきり差がつきます。(汗腺の話はこちら。)
走らない日の、心の走り
ランナーには、休足日が必要です。でも、走らない日は、どこか落ち着かない、そわそわする。それもまた、ランナーの性です。その夜こそ、サウナの出番です。心拍が心地よく上がり、たっぷり汗をかいて、夜は深く眠れる。「走ったような満足感」が、脚をいためずに手に入る。休足日の、あの小さな罪悪感への対策として、これ以上のものはありません。しっかり休むのも、立派な練習のうち。走ることでしか得られない爽快感の代わりを、熱と汗が用意してくれる。サウナは、上手に休むという、ランナーがいちばん苦手な技術を、そっと助けてくれます。
走る暮らしの、相棒に
岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、走る人の回復拠点づくりをお手伝いしています。次のレースの自己ベストは、練習と回復の両輪から生まれます。おすすめの一台のご相談、いつでもどうぞ。



