8月上旬の盛岡の夜は、太鼓の音でできています。さんさ踊り。世界一の和太鼓パレードと呼ばれる四日間、中央通は踊り手と観客の熱気で、真夏の夜がさらに熱くなります。今日は、その祭りの夜の「締め方」の話。踊った人にも、見物した人にも、サウナという最高の締めをご提案します。
鬼の手形が、岩手になった
さんさ踊りの由来には、この県の名の起こりが眠っています。昔、里人を苦しめた羅刹鬼を、人々が三ツ石神社の神さまに願って懲らしめてもらった。鬼は二度と来ないと誓い、証文がわりに境内の大岩へ手形を押したといいます。岩に押した手形、これが「岩手」という地名の起こりと語り継がれてきました。鬼が去った安堵と喜びに、里人が大岩のまわりを「さんさ、さんさ」と輪になって踊ったのが、さんさ踊りの始まりと伝えられます。祭りの底には、災いを鎮めて生き延びた、古い祈りの記憶があるのです。
三万人の太鼓が、街を鳴らす
盛岡さんさ踊りは、毎年8月1日から4日、市の中央通を主舞台に繰り広げられます。踊り手はのべ数万人、太鼓は連日数千の数が街に並びます。2007年には、和太鼓の同時演奏の数で世界一としてギネス世界記録に認定され、「世界一の太鼓パレード」の名が生まれました。地面から突き上げてくる低音が、見ているだけの人の胸まで叩く。ミスさんさ踊りの颯爽とした舞、伝統さんさの土の匂いのする所作。踊り、笛、太鼓が一体になった熱の塊が、真夏の夜を押し上げていきます。初日から最終日まで、パレードは日ごとに熱を増し、街ぜんたいが太鼓の律動に包まれていく。踊り手がまとう色とりどりの装束と花笠の華やぎも、目にまぶしいごちそうです。
祭りの体は、高ぶったまま
祭りの夜の帰り道を、思い出してください。体はくたくたなのに、頭は妙に冴えている。太鼓のリズムが胸に残って、布団に入っても、なかなか眠れない。あれは、祭りの熱気で交感神経が全開になったままだからです。踊り手なら、汗と、締め太鼓の腕の張りと、雪駄の足の疲れも加わります。この「疲れているのに高ぶっている」体は、放っておくと、眠りの浅い夜と、翌日のだるさに直行します。もったいない。祭りは、締めまで含めて祭りです。
汗を流し、高ぶりを鎮める
帰宅して、まず水分をしっかり。それから、短めのサウナで祭りの汗と日焼け止めを流し、ぬるめのシャワーで締めて、外気浴へ。夏の夜風の中、椅子に沈むと、胸に残っていた太鼓のリズムが、少しずつ自分の心拍に戻っていきます。交感神経の祭りから、副交感神経の夜へ。この切り替えをやってから布団に入ると、眠りの深さがまるで違います。踊り手の張った肩とふくらはぎには、温めと軽いストレッチも効きます。(ストレッチはこちら、夏サウナの作法はこちら。)
祭りと静寂は、一対です
考えてみれば、祭りの躍動と、サウナの静寂は、一対のものです。ハレの日に思いきり高ぶって、その夜のうちに、静けさへ帰ってくる。昔の人は祭りの後の直会や湯で、この切り替えをやっていました。太鼓で魂を揺らし、蒸気で鎮める。盛岡の夏の夜の、新しい型としてどうでしょう。遠方から さんさ見物に来た友人を、家のサウナで締めてあげる。これは、盛岡の家にしかできないもてなしです。(もてなしの話は、こちら。)
祭りの街の、サウナ屋として
岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、祭りの街のサウナ暮らしをお手伝いしています。さんさの四日間を、太鼓と蒸気で乗り切る夏。おすすめの一台のご相談、いつでもどうぞ。サッコラチョイワヤッセ、の余韻とともに。
写真: Marie-Sophie Mejan (Wikimedia Commons, CC BY 4.0)



